気になった英語問題10 with (2020 神奈川、千葉・前期)

入試問題をチェックする時期が始まりました。比較的受験日が早い、ここ神奈川県と千葉県の前期入試で with について問われていたので、取り上げてみます。まずは神奈川県の問4の(エ)。

I received an ( e-mail with a special message ) from my grandmother.

上記の並べ替え問題では、 having に近い意味で with が用いられています。

つづいて、千葉県の前期入試の問8の(4)の一部を見てみましょう。こちらは別ページにある本文を読んだうえで、[   ]内に適するものを2語で探す問題となっています。

Anna: How do scientists solve this problem?

Fred: I think they can solve it by studying plants around the world. Scientists are trying to learn how to make stronger vegetables which grow with little water. With their [hard work], they can help to solve a problem that climate change makes.

念のため、「によって(で)」と訳される withby の違いについて確認しておきましょう。

We use by to talk about an action – what we do to get a result.
We use with to talk about a tool or other object – what we use to get a result.


I killed the spider by hitting it. (Note the -ing form after by.)
I killed the spider with a shoe. (NOTby a shoe.) 

(M.Swan『Practical English Usage』P.415)

byは行為者・動作に力点が置かれるのに対し、withはあくまで道具的なものに過ぎないという点については、よく言われることです。したがって、He was killed by his enemy with a sword. のように2つ同時に使うことも可能です。

なお、上記のFredのセリフは、「世界中の植物を研究することで解決できると思う。水がほとんどなくても育つ、より強い野菜の作り方を科学者たちは習得しようとしているんだ。彼らの頑張りによって、そうした野菜は気候変動がもたらす問題を解決するのに役立つ可能性がある」といったような意味になりますが、該当箇所の最後の一文は解釈がやや難しめです。この場合のhelpが自動詞「役立つ」であることを確認しつつ、代名詞theyの指し示す対象が scientists ではなく stronger vegetables which grow with little water ではないかと考えながら読むことが大切です。

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