たまにされる質問に関連した話。東京都の大問4の長文から抜粋します。
I hoped Lucy would enjoy the visit to the shop.
中学英語では、動詞 visit は後ろに場所や人などの目的語を置く他動詞の用法が普通ですので、「goやcome などのように後ろに to を置いてはいけない」と解説する機会が多いように思われます。そのせいか、名詞visit の後ろに、toがついても問題ないということを知らなくてとまどう生徒がいます。そもそも名詞のvisitを知らない場合もありますが……
What’s the purpose of your visit ?
(Total English 中2 P.40)
教科書では上のように名詞のvisitが使われています。ただこれだけ習っただけでは、東京都の入試の to について理解するのは厳しいかもしれません。
高校生になると、名詞構文としてこうした動詞(および形容詞)を名詞化したものについて詳しく習うと思います。そのうち、おもに他動詞として用いられる動詞が名詞化し、前置詞がつくようなものの一部を挙げてみると、
- approach to ~
- attendance to ~
- consideration about ~
- contact with ~
- denial about / of ~
- discussion about ~
- entrance to ~
- marriage to ~
- obedience to ~
- opposition to ~
- resemblance to ~
- resistance against ~
こんなところでしょうか。これらの基になる動詞はラテン語由来のものばかりですが、まあ考えるより覚えた方がはやいでしょう。
日本語では、動詞(および形容詞)の連用形が転成名詞となる(「流れる→流れ」。例外として、連用形でないものは「極み」など)ことが多いため、和訳時などにこれを活かしたいものです。しかし個人的には、日本語は名詞中心の文より動詞中心の文のほうが一般的、かつ得意な印象があります。もし和訳したものの、不自然であるように感じたら、こうした違いを念頭に置き、動詞のように訳す力もいずれ必要になるはずです。
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