気になった英語問題13 timeの後ろのdoing (2020 都立国立)

国立高校の入試英語は、出題される長文に回路やらフィボナッチ数列やら「英語で学ぶ」理系ネタが出題されるため(今年もそう)、そうしたイメージが強いかもしれません。神奈川県でもトップ校を狙う人にとっては、特色検査対策としてどこかでやっておいても損はないでしょう。しかし、今回はそのタイプではない長文を扱います。

At that time I had a great time talking with various people and learning various values. 

a great timeの後ろに、talking with ~learning ~  の形が続いています。この解釈には以下の2パターンがあります。

  1. inonなどの前置詞が慣用表現化し落ちたものと考え、動名詞が後続している
  2. 現在分詞の副詞的な用法、すなわち分詞構文としてとらえる

以前このコーナーでも引いた、安藤貞雄の『現代英文法講義』ではP.237で類似の事象に触れていますので、興味のある方は調べてみてください。……とはいえこのような話は、いささか枝葉末節に拘泥しすぎかもしれません。塾屋さん的な観点からすると、「大切なのはどのように使われているのかを学ぶこと」ですしね。

ところで、このtimeの後ろに-ingが続くパターンは、spendやwasteといった動詞と共に使用される機会が多い印象があります。まずは2009年のセンター試験の第2問 A 問4での出題を見てみましょう。

I don’t think we can come up with a solution to the problem, however long we spend  11  it.

              ① discussing  
              ② talking  
              ③ to discuss  
              ④ to talk

正解は①。however long の箇所は、We spend so long time ~ itの部分が変化したものと考え、先の説明よりspendの後にto 不定詞を置く用法ではないため、③と④は×。また残った2つのうち、目的語itが後続できるのは、(大学受験でもっとも有名な他動詞の一つである)discussとなるためです。

waste の方はアイルランドの And So I Watch You From Afar というバンドが、まさに Don’t Waste Time Doing Things You Hate という曲をつくっているあたりからもその使用が推測できることでしょう。

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