しばらくは時期も時期なので、おもに公立高校入試レベルの内容で差が付きそうなところをいくつかピックアップしていきます。
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まず、2020年の都立国立の大問3の長文より抜粋。こちらを和訳してみてください。文法レベルは中2程度。なお、実際の長文にはchef「料理長」mistake「失敗」coworker「同僚」などに語注がついています。
However, one day, we made a serious mistake at a very important party. Actually, it was not my mistake, but one of my coworkers said to the chef that it was, and the chef believed that.
難なく解釈できましたか?
「しかしある日、私たちはとても大切なパーティーで重大なミスをしてしまいました。実はそれは私のミスではなかったのですが、同僚の一人が料理長にそう言い、料理長はそれを信じたのです。」という意味になりますが、it was の後にいったい何が省略されているか考えながら読めたかどうかが重要です。この場合、前の節にある it was not my mistake のnotより後ろの “my mistake ”を補います。なお、上記の最後のthatは前に書かれている内容を指す機能があるので、「同僚のウソの内容」を指します。
考えてみれば、be動詞の疑問文の応答でもこのような省略は起こっています。
Is this a pen? Yes, it is( a pen ). / No, it isn’t ( a pen ).
はい、ペンです。/ いいえ、ペンではありません。
これに基けば、混乱しがちな否定疑問文の返答もたいしたことはありません。
Isn’t this a pen? No, it isn’t ( a pen ). / Yes, it is( a pen ).
はい、ペンではありません。/ いいえ、ペンです。
したがって、否定疑問の受け答えは、あたまのnot部分を無視して“ Is this a pen? ”と同じようにとらえた方がよいでしょう。日本語の「はい」「いいえ」にとらわれすぎないのがコツです。
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では、こうしたことをふまえてもう1問。※ こちらは中3で習う文法が一部含まれています。
Mr. Gray: Oh, you found a clover with four leaves. Do you know why a four-leaf clover is a symbol of good luck?
Ann: I don’t know, but it’s not easy to find a four-leaf clover.
Mr. Gray: (1) .Some people say you’ll find one in 10,000 clovers.
Ann: Wow! So this clover is very special.本文の流れに合うように, に英語を入れるとき,適切なものは次の中ではどれか。
ア Yes, it is.
イ No, it’s not.
ウ I must say it is.
エ I didn’t know it, either.(2019 都立国立)
この問題を間違える人はかなり多いようですが、上記のことをふまえてよく考えてみてください。
正解はイ。はじめの例で見たように、省略された箇所はnot以下を指していたはず。そこで、“ easy to find a four-leaf clover ”をイの後ろにくっつけてみると、文意としては正しくなります。エではやりとりがちぐはぐになるし、アもウも終わりが“ it is ”ですから省略部分を補うとおかしなことになります。
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最後に、中3~高校初級レベル向けのおまけ。これまでの発展問題にあたります。以下の文の文法上・語法上の誤りを指摘し、訂正してください。
The difference between people who succeed and those who do not lie in their attitude toward their work.
(2013 慶応義塾)
* succeed 「出世する」 those …「…である人々(the people)」 attitude「態度」 toward「…に対する」
この答えについてはまた次回。
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