「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」
これは今の一万円札でお馴染みの福澤諭吉の「学問のすゝめ」の有名な書き出しですが、
その続きは皆さんご存知でしょうか??
これは明治5年(1872年)、江戸幕府が倒れてまだ間もない頃、中津藩士として2度のアメリカ訪問、ヨーロッパ6ヵ国訪問を通して、欧米の思想を学んだ福澤諭吉が帰国後、それまでの江戸幕府を頂点として士農工商の身分制度の中で生きていた日本人に、『人は生まれながらにして、みな平等である』という考え方を紹介したという点において画期的な本で、人口3000万人の当時の日本で300万部を超える大ベストセラーとなりました。
ただ、、この一文だけだと、なぜこの本が『学問のすゝめ』というタイトルなのか?
と疑問に思うのではないでしょうか。その理由はというと、実はこの文の後がこう続いているからなのです。
“天は人の上に人を作らず 天は人の下に人を作らず”という言葉がある。つまり生まれながらにして貴賤や上下というものはなく、みな同じであるということだ。
だが、世の中を見渡してみると賢いものもいれば愚かなものもいる。お金持ちもいれば貧しい人もいる。身分の高いものもいれば低いものもいる。このような差が生じているのはなぜだろうか?
答えははっきりとしている。それは学ぶか学ばざるの違いによって生じるものだ。学ぶものは知識を用いて難しい仕事をし、身分が高い人と呼ばれ、学ばないものはたやすい仕事をし、身分が低い人となる。
先ほど述べた通り、人には生まれつきの貴賤・富貴は存在せず、ただ学問に勤めて物事をよく知るものは貴き人や富める人となり、無学なものは貧しき人や身分の低い人となるのである。”
つまり、「人はみな平等で生まれつきの違いは存在しないが、実際世の中にはお金持ちもいれば貧しい人もいる、それはその人が学んでいるか、学んでいないかの違いだ。(明治維新で)四民平等となったこの時代だからこそ、学ぶことで賢い人、身分の高い人になりましょう。」ということで『学問のすゝめ』というタイトルへとつながります。
この言葉自体はもともとは福沢諭吉が故郷大分県中津市に学校が出来る際に、生徒達に読んでもらうため書いた文なのですが、150年経った今の子供たちにも変わらず通じる事なので、「是非読んでほしい!」「知ってほしい!」言葉だと思い紹介しました。
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